ヴィンテージオーディオの修理が増えてます。

先日、老舗ヴィンテージオーディオショップの方と話してましたが、コロナ禍以降、修理依頼が激増してしまい、販売に集中できないとおっしゃってました。

時期的に年末年始やGW前後は修理が増えて忙しくなりますが、弊社も例年以上にお問合せやご依頼が増えております。理由としてはコロナ禍で在宅時間が伸びたこともありますが、ここ数年間でヴィンテージオーディオショップと修理業者が相次いで廃業したため、相談先が無くなったのも影響してます。

首都圏では老舗だったマツシタハイファイの社長は癌で亡くなり、オーディオショップもてぎさんは引退、オールドマランツ&マッキンのマサトレーディングは体調悪化で無期限休業、神田オーディオ、ヒノオーディオ、アンデックスオーディオも閉店して寂しくなりました。

※マサトレーディングの小野社長とは12月23日に電話で話して、体調も良くなり元気に営業していることを確認出来ました。最近は修理依頼が立て込んで忙しいようでした。

本日は電源投入不可とレバー折れしたガラード301の修理を行いましたが、レバーを交換してから、スイッチ周りとインターロッキングレバー機構の調整をして電源が入るようになったものの、他にもいくつか不具合箇所を見つけてしまいました。

とはいえ、お客様にはレバー交換のみの見積書をお渡しした後だったことや、追加料金を頂くのも気まずいので、事情を説明して応急処置のみ行うことに致しました。

電源投入すると金属の接触音が発生してましたが、エレカレントブレーキディスクの調整で解消しました。

モーターは起動しても33回転だけ回転しないことや、45回転もトルクが非常に弱くてピッチコントロールの目盛りがセンターではかなり回転数が遅かったので、アイドラーとステッププーリーを外して洗浄・研磨を行い、アイドラーは薬品処理で摩耗軽減の処理をしてから取付け、各部の調整を行い33回転が起動するようになりました。

回転数の遅さはほぼ解消したものの、スピンドルシャフトを手で回したところ、やたら重く感じたので、オイルの経年劣化に伴う固着か、スラストパッドの変形や潰れを疑いました。プラッターを装着すると案の定、シャーシとの隙間が狭くなってました。本来ならスピンドル軸受けを全分解して洗浄・研磨・ガスケットとスラストパッドの交換をしたいところですが、今回は応急処置として適切なちょう度の新しいオイルを注入して様子を見ることにしました。

なんとかピッチコントロールがセンターの位置で各回転数共に安定するようになりました。

ガラード301に限らずTD124やTD121などのヴィンテージプレーヤーは、電子制御ではなく機械的に回転数を調整を行っているので、構造は単純ですが各機構部のコンディションや調整が悪いと不具合が発生する反面、全分解して組み上げれば殆ど部品交換せずに治ります。

特にモーターが過度に加熱している場合は、コイルのレアショートや溶断など修理不能な故障につながるケースもあるので、お早めにご相談下さい。

●修理受付の流れ
基本的に現行品やメーカーの修理可能品は、弊社から国内代理店・メーカーに修理依頼を致します。ヴィンテージ品やメーカーサポート終了品は弊社にて修理対応致します。

実機をお送り頂き、ご申告内容を元に各部診断の上、不具合箇所の特定と交換部品の有無、工数を計算してお見積書を作成します。その後、御見積書を元に修理内容や金額を擦り合わせの上、ご依頼頂く流れになります。

キャンセルの場合は「着払い」で返送しますが、他社様のように診断料の請求など料金は一切発生しませんのでご安心下さい。

【修理品送付先】
Ultra Groove
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
電話:03-6233-9991 ※電話対応は行ってません。

●見積基準(税込)
①基本技術料:19,800円
②工賃:1人日(8h)/44,000円、1h/5,500円
③部品代+送料

ヴィンテージ品、メーカーサポート終了品の修理は①が発生致します。部分修理は①~③の合計がお見積り金額になり、ヤマト運輸の着払いでご返却となります。修理箇所は3か月保証で再発の場合は無償修理で対応致します。フルレストアは①が無料になり、部品代込の一律料金、送料無料、1年保証になります。※改造箇所や物理的破損がある場合はお見積りの上、別途部品代を頂きます。

●納期について
通常、修理品のお預かりから2週間~4週間程度になりますが、GWやお盆、年末年始など長期休暇や繁忙期、また改造や破損等で海外から部品を取り寄せる場合は、1か月以上お時間を頂きますのであらかじめご了承下さい。そのほか、詳細はお問合せ下さい。

※コロナ対策および修理・通販のみの営業となるため、対面受付は行っておりません。

●Ultra Groove(合同会社アンセムインターナショナル)
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
E-Mail:info@ultragroove.jp
公式サイト:https://ultragroove.jp/
古物商許可 東京都公安委員会:第306691507096

【入荷情報】LINN LP12 + SME3009S2

LINN LP12 + SME3009S2(最後期型)が入荷しました。
発売以来、ご好評を頂いておりますMobor CPU control DC motor PSUと、Mober Bearing& Stainless Steel Sub Platter SSP12のアップグレードモデルになります。

●仕様
品番:LINN LP12
駆動方式:ベルトドライブ
寸法:W445×D356×H140mm
電源:Mobor CPU control DC motor PSU AC100V 50-60Hz
対応回転数:33/45回転

●付属品
LP12本体+アウター&インナープラッター、トーンアーム(調整工具)
モバーCPU制御DC電源ユニット、電源ケーブル、スピンドルオイル、

●ダストカバー&ヒンジ、ヒンジ受け別売り

そのほか、仕様変更や各種アップグレードなど、ご希望が御座いましたらご相談下さい。

※コロナ対策および修理・通販のみの営業となるため、対面受付は行っておりません。

●Ultra Groove(合同会社アンセムインターナショナル)
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
E-Mail:info@ultragroove.jp
公式サイト:https://ultragroove.jp/
古物商許可 東京都公安委員会:第306691507096

【入荷情報】LINN LP12 +ProJect 9cc(中古)

LINN LP12(中古)が入荷しました。ハーキュリーズ2電源(新品)にアップグレードで33/45回転に対応します。ドライブベルト交換、本体全分解後、内外装共にフルレストアを施しました(1年保証商品)。

●仕様
品番:LINN LP12
駆動方式:ベルトドライブ
寸法:W445×D356×H140mm
電源:Hercules2 AC100V 50-60Hz
対応回転数:33/45回転

そのほか、仕様変更や各種アップグレードなど、ご希望が御座いましたらご相談下さい。

※コロナ対策および修理・通販のみの営業となるため、対面受付は行っておりません。

●Ultra Groove(合同会社アンセムインターナショナル)
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
E-Mail:info@ultragroove.jp
公式サイト:https://ultragroove.jp/
古物商許可 東京都公安委員会:第306691507096

Thorens TD124 / Garrard 301の修理・梱包について

毎年、年末に近づくと修理・レストアのご依頼が増えますが、今回は修理の流れと梱包方法についてご案内致します。

通常、現行品はメーカーまたは正規代理店に修理依頼しますが、古い製品や既にメーカー自体が存在しないヴィンテージオーディオは、弊社または提携業者で修理対応となります。

Garrard 301とThorens TD124、旧SME製トーンアームに関しては、弊社で内製修理を行ってますので、モーターコイルの熱損と水没・火災のダメージ、TD124のスピンドルシャフト歪み、プラッターやシャーシ、アームパイプの変形以外は100%修理可能です。TD124Mk1極初期型の樹脂製スピンドル軸受けが固着して動かない個体も、インナースリーヴを交換せずに分解・研磨作業により復活できる場合が御座います。

ただし、ヴィンテージオーディオは製造終了から半世紀以上経過していることや、改造の有無、1台毎に状態や故障箇所、原因が異なるため、修理受付の際に必ず実機を診断してから、不具合箇所の特定を行い御見積致します。

御見積は修理依頼の有無に関わらず無料で行っており、懸念点と内容をお客様に確認して頂いてから、ご予算やどこまで手を入れるかといったご希望を擦り合わせしてからご依頼頂いてます。キャンセルの場合は返却の送料のみご負担頂いております。

このため、実機を診断しない段階での見積金額や、修理用部品のみの販売に関する質問・問い合わせはお断りしてます。予めご了承下さい。

修理期間は故障内容、交換部品の調達、年末年始やGW前後などの繁忙期により異なりますが、弊社到着から2~4週間程度となります。

また、お送り頂く際には破損やトラブル防止のため、梱包をしっかり行って頂くようお願いしておりますが、いくつか注意点が御座います。

1、アイドラーは変形する原因になるため、電源レバーは必ずOFFの位置にして下さい。

2、プレーヤーは台座から本体を外して、アウタープラッター、インナープラッターを外します。ガラード301はゴムマットを外して、スピンドルに対してプラッターを垂直に持ち上げると外れます。トーレンスTD124はMk1、Mk2共にスピンドルのマイナスねじ3本を緩めるとインナープラッターが外せます。

3、台座を外さないで梱包する場合は、カートリッジとダストカバーを必ず外して下さい。 トーンアームはベアリングやエラスティックカップリングの破損を防止するため、カウンターウエイト、インサイドフォースキャンセラーのウエイトを外して、高さ調整ネジを緩めアームベースの一番下まで下げて固定し、アームパイプはレストに紐などでしっかり固定して下さい。

4、スピンドル軸受けはオイル漏れ防止のため、オイルを抜いて頂くかウエスなどを詰めて下さい。漏れたオイルがアイドラーやインナープラッターの内側に付着すると、脱脂洗浄や研磨など余計な作業が発生するので、結果、納期が伸びる場合も御座います。

5、Garrard 301はモーターを固定する輸送ロックを必ず締めて下さい(頭が赤く塗ってあるマイナスネジ2本)。固定しないで輸送すると振動によりモーターを懸架しているサスペンション(3ヶ所、上下6本)に負荷が掛かり、伸びや変形が生じて交換が必要となる場合が御座いますのでご注意下さい。

6、電源ケーブルは紐などでまとめ、本体塗装面に傷がつかないよう養生して下さい。

7、梱包はエアーキャップ(プチプチ)で巻くか、厚手のビニールや布袋に入れて、段ボールは角打ち防止のため、発砲スチロールや丸めた新聞紙などを十分入れて下さい。特に箱の底は重量が掛かることや、衝撃を受けやすいので多めに緩衝材を入れて下さい。

8、梱包する際は、重量が重いプラッターは箱の下に、プレーヤー本体はその上に入れると箱の重心が下がり、配達員の方も持ちやすくなることや、輸送中の荷崩れと破損予防になります。梱包が終わったら箱に精密機械と天地無用シールを張って発送して下さい。
  
9、トーレンスTD124のアウタープラッターは非常に変形しやすいことや、修理時に必要ないので送らないで下さい。

修理、レストアと併せて、台座の突板張替えなどのお色直し、シングルアーム→ダブルアーム化に伴う台座の新規制作、トーンアーム変更も承りますのでお気軽にご相談下さい。

●修理受付の流れ
基本的に現行品やメーカーの修理可能品は、弊社から国内代理店・メーカーに修理依頼を致します。ヴィンテージ品やメーカーサポート終了品は弊社にて修理対応致します。

実機をお送り頂き、ご申告内容を元に各部診断の上、不具合箇所の特定と交換部品の有無、工数を計算してお見積書を作成します。その後、御見積書を元に修理内容や金額を擦り合わせの上、ご依頼頂く流れになります。

キャンセルの場合は「着払い」で返送しますが、他社様のように診断料の請求など料金は一切発生しませんのでご安心下さい。

【修理品送付先】
Ultra Groove
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
電話:03-6233-9991 ※電話対応は行ってません。

●見積基準(税込)
①基本技術料:19,800円
②工賃:1人日(8h)/44,000円、1h/5,500円
③部品代+送料

ヴィンテージ品、メーカーサポート終了品の修理は①が発生致します。部分修理は①~③の合計がお見積り金額になり、ヤマト運輸の着払いでご返却となります。修理箇所は3か月保証で再発の場合は無償修理で対応致します。フルレストアは①が無料になり、部品代込の一律料金、送料無料、1年保証になります。※改造箇所や物理的破損がある場合はお見積りの上、別途部品代を頂きます。

●納期について
通常、修理品のお預かりから2週間~4週間程度になりますが、GWやお盆、年末年始など長期休暇や繁忙期、また改造や破損等で海外から部品を取り寄せる場合は、1か月以上お時間を頂きますのであらかじめご了承下さい。そのほか、詳細はお問合せ下さい。

※コロナ対策および修理・通販のみの営業となるため、対面受付は行っておりません。

●Ultra Groove(合同会社アンセムインターナショナル)
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
E-Mail:info@ultragroove.jp
公式サイト:https://ultragroove.jp/
古物商許可 東京都公安委員会:第306691507096

■関連情報:Thorens TD124 & Garrard301の修理・フルレストア承ります。

LINN LP12用DC電源システム~Mobor CPU control DC motor PSU

LINN LP12の高性能アップグレードパーツを多数リリースしているMobor社(モバー)ですが、ここ最近、お問合せがかなり増えております。

LINN LP12用のアップグレードパーツは、英国、アメリカを中心に約20社ほどのサードパーティーが存在し、その中にはREGAやネイムオーディオも含まれるものの、日本で紹介されているブランドは殆どないのでご存じない方も多いでしょう。

その中でも特に反響が大きいのがMobor社のCPU制御DCモーターシステムで、6月に取扱いを開始してからブレイクし、10月に新色のブラックもリリースされたこともあり、更に人気が高まってきた印象を受けます。

一時期は日本向けの割り当て数が少なく、ご予約のお客様には入荷遅延でご迷惑をお掛け致しましたが、年末に向けて何とか枠を確保できたところです。

LINN LP12の電源はMajik、アキュレート、クライマックスのグレードに合わせて、内蔵式、外部式とACモーターとDCモーター仕様がありますが、MoborのDCモーターシステムは最上位のDCモーター仕様になるRADIKAL同様にコンピューター制御の外部式高性能電源システムになります。

Moberは光電タコメーターを採用し、アウタープラッター裏側に設置した16個のマーカー(ストロボ)を回転数ごとに読み取りして速度計算と補正を行い、毎分500回、マイクロ秒まで測定してmVレベルでDCモーターへの出力電圧を調整することで、ほぼ誤差がない正確な回転数制御が行えるようになってます

また、DCモーターもマクソン社(スイス製)の高品質精密モーターを選別採用し、Moberお得意の精密加工技術と長年に渡る製品開発ノウハウの蓄積から編み出されたカーボンファイバーと真鍮のハイブリット筐体にモーターを組み込み、微弱な振動も吸収・分散させることで、スピンドルに伝わる振動がないよう工夫されています。

初めて製品を聴いた印象としては、外部式電源の特徴である静粛感と音数の多さが引き出され、細かな筆で繊細に描いた水彩画のようですが、DCモーターの効果か空間再現性がLINGOやMOSEとは違って相当広く感じます。

本家のRADIKALが約90万程になりますが、やはりDCモーター仕様は優位性が高いと認識すると共に、モバーはよくこの価格で発売したと驚きます。

ちなみに、LP12に限らずオーディオや家電の故障原因は、約7割以上が電源部の劣化によるもので、特に電解コンデンサの容量抜けとブリッジダイオードや3端子レギュレーターの短絡などが多いのですが、だいたい新品購入から8~12年くらいから故障が増えてきます。この点で長年愛用している個体や中古購入品をお使いであれば、アップグレードと併せて電源部の新品総入れ替えが行えるのも魅力的かと思います。

製品に関するご質問、お問合せはお気軽にご連絡下さい。

※コロナ対策および修理・通販のみの営業となるため、対面受付は行っておりません。

●Ultra Groove(合同会社アンセムインターナショナル)
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古物商許可 東京都公安委員会:第306691507096

●関連情報
Mober社製品(LINN LP12用)の取扱いを始めました。
LINN LP12用アップグレード外部式電源 MOSE(モース) 
LINN LP12用アップグレードHercules2(ハーキュリーズ2)