レコードプレーヤーの梱包方法について

今月に入りお客様や同業者から輸送事故絡みの修理に関するご相談が立て続けにあったので、今回はレコードプレーヤーの梱包方法と注意点をご紹介いたします。

トーレンスTD125+SME3009S2の修理ご依頼品、プラッターは輸送中の振動で外れてしまってます。

今週初めにお客様より修理のご依頼を受けたトーレンスTD125+SME3009S2ですが、梱包方法が適切でなかったため、スピンドル軸が大きく曲がっており修理不可能になりました。

原因は本体のスピンドル軸受けにインナープラッターとスピンドルを挿して、アウタープラッターもつけたまま梱包したことで、輸送中の振動で重量があるプラッターが外れてしまい、箱の中で転げまわっておりました。

開梱した時にプラッターが付いたままだったので嫌な予感がしましたが、TD125は電源が入る状態で整備すれば使えることや、アームには傷が付いてカートリッジは針先は無くなっている状態で、お客様も楽しみになさっていたため、残念な気持ちになりました

本体シャーシにもプラッターが擦れた傷が付いてしまいました。

TD125に限らずトーレンスTDシリーズ全機種やLINN LP12は重量級のプラッターを採用しているため、本体の軸受けにスピンドルを挿してプラッターも装着したまま輸送すると、振動で過重と衝撃が加わりスピンドル軸が曲がります。酷い場合は軸受け底部にあるスラストパッドが上から押しつぶされて変形して、スピンドル軸の先端とスラストパッドの接触面積が増える=摩擦係数が高くなり、オイル漏れしたり、フローティング構造の場合はサスペンションに余計が力が掛かることでシャーシとサスペンションを固定しているワイヤーが切れたり、ゴム製グルメットの破断など致命傷的ダメージになります。

スピンドルは特に横方向からの衝撃に弱いため、アウタープラッターを装着したまま本体を斜めに傾けたりせず、ラックや部屋の移動もできればプラッターを外してから行うことをお勧めします。

TD125のようにメーカーサポートが終了していたり、サードパーティー製のスピンドル軸も入手できない製品は、中古や部品取りがあれば対応することも可能ですが、無い場合は修理不可能となってしまいます。

また、ヤフオクを含め中古流通品の中には、スピンドル軸が歪んでいるものも結構紛れ込んでいるので、入荷時に必ずチェックしますが、リサイクル系や詳しくない個人の方は見分けがつかないことや、ジャンク品は部品や修理代の方が高額になるケース多いので、購入する際はご注意下さい。

修理や移設などでレコードプレーヤーを梱包する方法と注意点をご紹介いたします。

【手銃】
①必ずカートリッジを外しアームはレストに紐などで固定します。ダストカバーは必要ないため外して頂き保管して下さい(破損するので送らないで下さい)。
②プラッターを外しスピンドル軸受けはオイル漏れ防止のため、ラップと輪ゴム等で蓋をします。
③電源やフォノケーブルは強く折らないようまとめ、本体に傷がつないようエアーキャップ等で養生します。
④本体や台座の隙間には厚紙や段ボールをカットして挟み、サスペンションが出来るだけ動かないよう固定します。
⑤ガラード301/401等、輸送ロックがある機種は必ずロックを掛けてモーターが動かないようにします。
⑥プラッター類、本体はエアーキャップ等で養生します。
⑦段ボールは底が一番衝撃が掛かるため、緩衝材を多めに入れたり2重底にして、重量があるプラッターを箱の下に入れ、その上に本体を入れます(箱の重心が低くなり輸送中の荷崩れが予防できます)。
⑧発送は宅配便(ヤマト運輸、ゆうぱっく)に「精密機械」「天地無用」でご依頼下さい。
⑨開梱時は冬などで室内外との寒暖差が大きい場合に、結露が原因でショートや故障することがありますので、 寒い時期の搬出入後はすぐに通電せずに、半日程度、室温に戻してから通電するようにしてください。

※ヤマト運輸のらくらく家財便は、オーディオ機材全般で利用不可となっております(2022年3月現在)

元箱が無い場合は段ボールやエアーキャップなどの緩衝材を用意する必要がありますが、ダンボールワンが価格・決済方法、オーディオ製品のサイズや強度的に使いやすいものが揃えやすいのでお勧めです。

輸送事故はお客様、販売店、買取業者、運送業者も含め全員が不幸になることや、10万円を超える機材が破損した場合、運送業者が加入している保険も営業所で決済承認できないことから、支店に管轄が移管され、保険会社の聞き取りや新品・中古価格の調査、写真の提出などを行い、約1か月弱で承認可否がおりますが、
金額によっては満額保証されないケースも多いため、少し過剰かなと思う位に十分に緩衝材を使って梱包することをお勧め致します。

今回のTD125は残念ながら修理不可となりましたが、SME3009S2を外してフルレストアすることになりました。お客様が代わりのプレーヤーをお探しだったことから、丁度、入荷したばかりのTD321をレストアしてSME3009S2とセットアップ納品することになりました。

TD320/321にSME3009SⅡを組む場合、筐体が浅いためアームの底が当たります。RCA端子を筐体に取り付けて内部配線を接続するなど加工が必要です。3009SⅡImpやRの場合は加工不要です

現在お使いのプレーヤーからのトーンアーム移植や、お手持ちのアームを整備して使いたい場合はアームレスの在庫がありますし、輸送事故や落下等で破損した台座や外装のお直し、本体の破損も内容により修理出来ますので、何か御座いましたらお気軽にご相談下さい。

※コロナ対策および通販・修理のみとなるため、対面受付は行っておりません。

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