THORENS TD124Mk1のフルレストアについて

弊社でフルレストアしたTD124Mk1です。
レストア前の状態01

他店で購入したトーレンスTD124Mk1をお預かりしてフルレストアが終わったのですが、今回はちょっと愚痴りたいので、気分が悪くなる方はスルーなさってください。

このTD124MK1は他店でレストア済みということで購入された個体でしたが、お客様から伺った内容を元に細部を診てみたところ、正直どこをやったの?って感じでした。

特にヤフオクなどは例え整備済みと記載があっても、本当にどこまでやってんだか分からないような業者や、抵抗や電球1個替えただけでも整備したと言う方もいらっしゃいますから、そこはあえて追求しませんが、知名度もあってそれなりの金額を取ってる業者がこんなことするんだというのが残念に思いました。

他社さんのことはあまり言いたくはないのですが、実はどこまで凄い内容のレストアをしているのか、個人的に楽しみにしていた気持ちもあったので正直がっかりしました。

まぁ、うちはうちのやり方でもっとお客様に喜んで頂けるよう努めていくことと、日々レストア技術の向上と、適正な価格で提供できるよう精進していこうと改めて思いました。

レストア前の状態02~アイドラーが摩耗して滑りトルクが出ない状態
レストア前の状態 03
レストア前の状態04~モーターのローターからベアリングが外れるので通常はひっくり返さないで下さい。
レストア前の状態 05
レストア前の状態 06
レストア前の状態07~電源スイッチを固定してるマイナスねじのねじ山が舐めている…素人の仕事か?
TD124フルレストア作業開始01
TD124フルレストア作業開始02~シャーシ洗浄研磨完了
TD124フルレストア作業開始02~全分解・洗浄後、このあとねじ1本までワイヤー研磨を行います。
TD124フルレストア作業開始03~モーター部、本来ならリベットで固定すべきところをねじ止めしている
TD124フルレストア作業開始04~モーター上部もねじ止めしてる…
TD124フルレストア作業開始05~特に酷かったモーターも分解していきます。
TD124フルレストア作業開始06~レストアして10年位でこんなに汚くなるのか疑問を感じた内部
TD124フルレストア作業開始07~ローターを受けるスラストパッドは変形していたので新品交換します。
TD124フルレストア作業開始08~洗浄・研磨・組み上げ
TD124フルレストア作業開始09~スラストパッドの受け皿とシャーシは本来のリベットを使い組み上げます。
TD124フルレストア作業開始10~主要パーツのワイヤー研磨作業
TD124フルレストア作業開始11~スピンドル分解・洗浄後、ガスケットとスラストパッドを新品交換します。
TD124フルレストア作業開始12~レストアしたスピンドルはオイル漏れや滲みも100%解消出来ます。
トーレンスTD124フルレストア完了01~調整後の状態
トーレンスTD124フルレストア完了02
トーレンスTD124フルレストア完了03
トーレンスTD124フルレストア完了04
トーレンスTD124フルレストア完了05
トーレンスTD124フルレストア完了06
トーレンスTD124フルレストア完了07
トーレンスTD124フルレストア完了08~アイドラーは洗浄後に研磨を行い、薬品と熱処理を行います。

モーターを含むパーツの全分解・洗浄・点検後、ワイヤー研磨、 スピンドルやモーターのスラストパッドなど劣化部品の交換作業を行い、 セットアップと調整後、3日間の稼働テストと微調整が終わりました。

最近、動画は嘘つけないことや、状態を伝えるのに便利な手段だと実感しました。

フルレストアの結果、モーターは静粛性が向上しながらトルクが増し、 スピンドル軸受けも極限まで摩擦係数が減ったことや、 各機構部もストレスなく最高のパフォーマンスを発揮しながら動作致します。 各回転数とも半回転で規定回転数に到達し、プラッターを手で止めようとしても強いトルクでなかなか止まらなく、 電源OFF後(1分11秒)もプラッターは慣性力で4分間回転し続けます(5分14秒)。

プレーヤーのコンディションは再生音にも大きく表れますが、TD124の特徴である独特の余韻の長さと響きがあり、 陰影に富んだ重層的な音のハーモニーと、気配を感じさせるリアリティが迫ってきます。 特にモノラルオリジナル盤を聴いた時の濃密ながら、清楚で凛とした佇まいは、このプレーヤーでなければ出ない音です。

これがTD124本来の状態ですが、現在市場に流通している個体の大半がノーメンテで不具合を抱えておりますので、 お手持ちのTD124の調子がどうも優れない場合は、モーターのコイル熱損など重大なトラブルが発生する前にご相談下さい。

●修理受付の流れ
基本的に現行品やメーカーの修理可能品は、弊社から国内代理店・メーカーに修理依頼を致します。ヴィンテージ品やメーカーサポート終了品は弊社にて修理対応致します。

実機をお送り頂き、ご申告内容を元に各部診断の上、不具合箇所の特定と交換部品の有無、工数を計算してお見積書を作成します。その後、御見積書を元に修理内容や金額を擦り合わせの上、ご依頼頂く流れになります。

キャンセルの場合は「着払い」で返送しますが、他社様のように診断料の請求など料金は一切発生しませんのでご安心下さい。

【修理品送付先】
Ultra Groove
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
電話:03-6233-9991 ※電話対応は行ってません。

●見積基準(税込)
①基本技術料:19,800円
②工賃:1人日(8h)/44,000円、1h/5,500円
③部品代+送料

ヴィンテージ品、メーカーサポート終了品の修理は①が発生致します。部分修理は①~③の合計がお見積り金額になり、ヤマト運輸の着払いでご返却となります。修理箇所は3か月保証で再発の場合は無償修理で対応致します。フルレストアは①が無料になり、部品代込の一律料金、送料無料、1年保証になります。※改造箇所や物理的破損がある場合はお見積りの上、別途部品代を頂きます。

●納期について
通常、修理品のお預かりから2週間~4週間程度になりますが、GWやお盆、年末年始など長期休暇や繁忙期、また改造や破損等で海外から部品を取り寄せる場合は、1か月以上お時間を頂きますのであらかじめご了承下さい。そのほか、詳細はお問合せ下さい。

※コロナ対策および修理・通販のみの営業となるため、対面受付は行っておりません。

●Ultra Groove(合同会社アンセムインターナショナル)
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
E-Mail:info@ultragroove.jp
公式サイト:https://ultragroove.jp/
古物商許可 東京都公安委員会:第306691507096