本日もTHORENS TD124の修理・レストアを行ってます♪

修理品はご依頼順に対応しておりますが、1台1台入念に診てますのでお時間を頂く場合が御座います。

トーレンス製品はノア→イースタンサウンドファクトリーとの契約終了したため、現在は国内代理店が無い影響もあり修理等のご相談が増えておりますが、TD124など既に半世紀を過ぎているヴィンテージ機材に関しては、メーカーのサポートはもちろん、部品の提供も終了しており、修理やメンテナンスでお困りの方も多いかと思います。

さらにここ数年で修理業者や販売店も高齢で廃業するなど、近県に修理先がなかったり、オーディオショップや同業者から紹介を受けてご相談を頂くお客様が増えていることから、アナログ関係の修理が困難になっている状況を危惧しております。

ヴィンテージ機材の修理やレストアは、往年の名機が持つ音楽性と初期性能をいかに蘇らせられるかが課題ですが、TD124やガラード301/401など電子制御ではない機械式のプレーヤーは各部を入念に診断して施術を行う必要があり、通常のオーディオ機器のように台数をこなすことは難しく、1台1台計測や手作業による診断など非常に時間が掛かります。

ものによっては資料や部品を取り寄せたり、無い部品は金属や樹脂、台座やアームボーなどの木工も加工して制作する必要もあり、専門性が高い上にトータルで見なければならない範囲も広いため、出来る業者が極端に少ないのが現状です。

このような背景もあるので本音を言えば都内だけでも、あと6~8業者以上ある方が得意分野に応じて同業者間で分担できるのですが、オーディオ販売や修理で起業する方が皆無なので、現在残ってる業者に修理が集中してしまい、同業者は軒並み忙しくなっております。

トーレンスTD124修理完了後の動作確認動画

そんなわけで最近は販売に割く時間がなく、連日深夜まで修理に追われてるため、遅い時間にLINEやメール返信することも多くなりがちですが、ご理解頂ければと思います。

本日もTD124の修理が一台終わりました。お預かりした個体は他店でフルレストア済みとのことでご購入されたTD124 Mk1初期型でしたが、モーターの動作音が大きく、スピンドルもインナースリーブが樹脂から金属製に変更とオイル漏れが発生し、さらに不適切なアース処理、回転が安定せず速度が出ない等いくつか不具合があったことや、60hzエリアの西日本でお使いになるため、細部の診断と併せて修理のご依頼を受けました。

トーレンスTD124 MK1修理前の状態、モーター動作音が大きい
トーレンスTD124修理前の状態~シャーシは再塗装でした。
トーレンスTD124修理前の状態02~不適切なアース処理、モーターのスラストパッド固定具がリベットではなくねじ止めされている…
トーレンスTD124修理前の状態03
トーレンスTD124修理前の状態04~マイナスねじのネジ山がなめている=適切な工具を使っていない素人
トーレンスTD124修理前の状態05
トーレンスTD124修理前の状態06~モーター上部もねじ止めされている=振動で緩む=設計や修理を学んでいる業者は使いません
トーレンスTD124修理前の状態07
トーレンスTD124修理前の状態08~スラストパッドが凹みが大きく、ローター軸の先端に直接触れている状態で汚い
トーレンスTD124修理前の状態09~分解・脱脂・洗浄後
トーレンスTD124修理前の状態10~スラストパッド新品交換
トーレンスTD124修理前の状態11~モーター組み上げ中
トーレンスTD124修理後の状態12~モーターのローター位置調整前の状態
トーレンスTD124修理前の状態13~スピンドルがオイル漏れしてる
トーレンスTD124修理前の状態14~分解・洗浄・研磨後、スラストパッドとガスケット交換します。
トーレンスTD124修理後の状態15~スピンドル軸受け組み立て
トーレンスTD124修理後の状態16~スピンドル表側
トーレンスTD124修理前の状態17~ストロボが点滅して異常に暗い
トーレンスTD124修理前の状態18~ストロボランプの光源反射ミラーが剥離・変色している
トーレンスTD124修理前の状態19~ストロボランプの光源反射ミラーを新品交換します
トーレンスTD124修理前の状態20~ストロボランプへの供給電圧をAC100Vに合わせて部品交換します。
トーレンスTD124修理後の状態21~ストロボランプの光源反射ミラー交換後
トーレンスTD124修理前の状態22~アイドラーが摩耗してスリップ=速度が出ない状態
トーレンスTD124修理前の状態23~固定軸受け、非常に汚れている
トーレンスTD124修理前の状態24~アイドラーは若干水平面が変形していたので走行音が気になるが、ご予算の関係で研磨・薬品&熱処理で再利用することで経過をみます。
トーレンスTD124修理後の状態25~アイドラー洗浄・研磨・薬品&熱処理後
トーレンスTD124修理後の状態26~モーター、スピンドル、アイドラーほか部分修理が完了し、これから調整していきます。
トーレンスTD124 MK1修理完了、動作確認動画

修理の結果、オイル漏れ、起動時の立ち上がり、回転数の安定など、不具合内容は全て解消し、電源ON後、半回転で規定回転数に到達し、トルクフルな力強さとが蘇り、TD124の特徴でもある独特の響きと余韻の長さがあり、陰影に富み、やや重心が低く重層的なハーモニーを紡いでいきます。

特にTD124 Mk1はオルトフォンCG25Di Mk2やSPU MONO G Mk2などモノラルカートリッジをGT.SOUND特注やALTEC 1567Aのインプットトランスだったピアレス15095など、10~12db程度の昇圧比があるMCステップアップトランスを通してオリジナル盤を再生した音は、ガツンとした音の太さと一音一音のリアリティが素晴らしく鳴ります。

また、スピンドルも手を入れたことで摩擦係数が大幅に低くなり、室温15度以上であれば電源OFF後、約3分30秒以上も慣性力でプラッターが回転し続けます。

※15度以下ではスピンドルオイル等の粘性が高まるため、回転時間が短くなりますが、粘性が低いオイルにすることで調整も可能です。

弊社ではTD124に限らずガラード301/401、LINN LP12、トーレンスTD320/520系、SMEやオルトフォン旧RMGなど、アナログ関連機材の修理・レストアを外注せずに完全内製で対応致しております。 TD124に関しては水没・火災によるダメージ、シャーシ破損、モーターコイルの断線以外は内外装共に修理可能ですのでご相談下さい。

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