毎年、年末に近づくと修理・レストアのご依頼が増えますが、今回は修理の流れと梱包方法についてご案内致します。
通常、現行品はメーカーまたは正規代理店に修理依頼しますが、古い製品や既にメーカー自体が存在しないヴィンテージオーディオは、弊社または提携業者で修理対応となります。
Garrard 301とThorens TD124、旧SME製トーンアームに関しては、弊社で内製修理を行ってますので、モーターコイルの熱損と水没・火災のダメージ、TD124のスピンドルシャフト歪み、プラッターやシャーシ、アームパイプの変形以外は100%修理可能です。TD124Mk1極初期型の樹脂製スピンドル軸受けが固着して動かない個体も、インナースリーヴを交換せずに分解・研磨作業により復活できる場合が御座います。
ただし、ヴィンテージオーディオは製造終了から半世紀以上経過していることや、改造の有無、1台毎に状態や故障箇所、原因が異なるため、修理受付の際に必ず実機を診断してから、不具合箇所の特定を行い御見積致します。
御見積は修理依頼の有無に関わらず無料で行っており、懸念点と内容をお客様に確認して頂いてから、ご予算やどこまで手を入れるかといったご希望を擦り合わせしてからご依頼頂いてます。キャンセルの場合は返却の送料のみご負担頂いております。
このため、実機を診断しない段階での見積金額や、修理用部品のみの販売に関する質問・問い合わせはお断りしてます。予めご了承下さい。
修理期間は故障内容、交換部品の調達、年末年始やGW前後などの繁忙期により異なりますが、弊社到着から2~4週間程度となります。
また、お送り頂く際には破損やトラブル防止のため、梱包をしっかり行って頂くようお願いしておりますが、いくつか注意点が御座います。
1、アイドラーは変形する原因になるため、電源レバーは必ずOFFの位置にして下さい。
2、プレーヤーは台座から本体を外して、アウタープラッター、インナープラッターを外します。ガラード301はゴムマットを外して、スピンドルに対してプラッターを垂直に持ち上げると外れます。トーレンスTD124はMk1、Mk2共にスピンドルのマイナスねじ3本を緩めるとインナープラッターが外せます。
3、台座を外さないで梱包する場合は、カートリッジとダストカバーを必ず外して下さい。 トーンアームはベアリングやエラスティックカップリングの破損を防止するため、カウンターウエイト、インサイドフォースキャンセラーのウエイトを外して、高さ調整ネジを緩めアームベースの一番下まで下げて固定し、アームパイプはレストに紐などでしっかり固定して下さい。
4、スピンドル軸受けはオイル漏れ防止のため、オイルを抜いて頂くかウエスなどを詰めて下さい。漏れたオイルがアイドラーやインナープラッターの内側に付着すると、脱脂洗浄や研磨など余計な作業が発生するので、結果、納期が伸びる場合も御座います。
5、Garrard 301はモーターを固定する輸送ロックを必ず締めて下さい(頭が赤く塗ってあるマイナスネジ2本)。固定しないで輸送すると振動によりモーターを懸架しているサスペンション(3ヶ所、上下6本)に負荷が掛かり、伸びや変形が生じて交換が必要となる場合が御座いますのでご注意下さい。
6、電源ケーブルは紐などでまとめ、本体塗装面に傷がつかないよう養生して下さい。
7、梱包はエアーキャップ(プチプチ)で巻くか、厚手のビニールや布袋に入れて、段ボールは角打ち防止のため、発砲スチロールや丸めた新聞紙などを十分入れて下さい。特に箱の底は重量が掛かることや、衝撃を受けやすいので多めに緩衝材を入れて下さい。
8、梱包する際は、重量が重いプラッターは箱の下に、プレーヤー本体はその上に入れると箱の重心が下がり、配達員の方も持ちやすくなることや、輸送中の荷崩れと破損予防になります。梱包が終わったら箱に精密機械と天地無用シールを張って発送して下さい。
9、トーレンスTD124のアウタープラッターは非常に変形しやすいことや、修理時に必要ないので送らないで下さい。
修理、レストアと併せて、台座の突板張替えなどのお色直し、シングルアーム→ダブルアーム化に伴う台座の新規制作、トーンアーム変更も承りますのでお気軽にご相談下さい。
●修理受付の流れ
基本的に現行品やメーカーの修理可能品は、弊社から国内代理店・メーカーに修理依頼を致します。ヴィンテージ品やメーカーサポート終了品は弊社にて修理対応致します。
実機をお送り頂き、ご申告内容を元に各部診断の上、不具合箇所の特定と交換部品の有無、工数を計算してお見積書を作成します。その後、御見積書を元に修理内容や金額を擦り合わせの上、ご依頼頂く流れになります。
キャンセルの場合は「着払い」で返送しますが、他社様のように診断料の請求など料金は一切発生しませんのでご安心下さい。
【修理品送付先】
Ultra Groove
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
電話:03-6233-9991 ※電話対応は行ってません。
●見積基準(税込)
①基本技術料:19,800円
②工賃:1人日(8h)/44,000円、1h/5,500円
③部品代+送料
ヴィンテージ品、メーカーサポート終了品の修理は①が発生致します。部分修理は①~③の合計がお見積り金額になり、ヤマト運輸の着払いでご返却となります。修理箇所は3か月保証で再発の場合は無償修理で対応致します。フルレストアは①が無料になり、部品代込の一律料金、送料無料、1年保証になります。※改造箇所や物理的破損がある場合はお見積りの上、別途部品代を頂きます。
●納期について
通常、修理品のお預かりから2週間~4週間程度になりますが、GWやお盆、年末年始など長期休暇や繁忙期、また改造や破損等で海外から部品を取り寄せる場合は、1か月以上お時間を頂きますのであらかじめご了承下さい。そのほか、詳細はお問合せ下さい。
※コロナ対策および修理・通販のみの営業となるため、対面受付は行っておりません。
●Ultra Groove(合同会社アンセムインターナショナル)
〒106-0032 東京都港区六本木7-11-18
E-Mail:info@ultragroove.jp
公式サイト:https://ultragroove.jp/
古物商許可 東京都公安委員会:第306691507096