先日お預りしたトーレンスTD134のフルレストアが終わり納品前のテストを致しました。






今回は電源投入不可だったことや、スピンドルやモーターのローターも手で回すと重く、オイルの経年劣化で固着しているような状態で、さらにアームも水平方向の動作に問題があるようで、全分解してフルレストアを行う必要がありました。



モーターは幸い断線もなかったのですが、動作音と振動が大きく、全分解・洗浄後、スラストパッドの新品交換と各部研磨の作業を行い、力強いトルクと静粛性を回復致しました。


スピンドル軸受けはオイルが劣化して揮発成分が飛び、コールタールのようにべたついていたり、底部からオイル漏れもあったので分解・洗浄と併せてガスケットとスラストパッドも交換致しました。

アームは内部配線のビニール被膜が経年劣化で硬化し、アームとピラー部にテンションが掛かり、水平方向の動作に干渉していたことや、ベアリング軸受けもコツコツと抵抗を感じたので、分解・研磨作業と内部配線全交換、感度調整を行い復活致しました。

フルレストアの結果、モーターは動作音も全くなく振動も大幅に低減し、各機構部やスピンドル軸受けの摩擦係数も非常に低くなったことから、電源ONから規定回転数まで1回転で到達し、電源OFF後も慣性力でしばらく回転し続けます。
トーレンスTD134やTD124、ガラード301/401等のヴィンテージプレーヤーは、製造から半世紀以上経過していることや、電子式ではなく機械式で回転数を制御しているため、各部のコンディションによってパフォーマンスに大きく影響致します。だいたい約8~12年毎を目安に点検・レストア・調整を行うことをお勧め致します。
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オーディオブランド
Ultra Groove
https://ultragroove.jp/
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